やさしい ビジネスショート講座

2分で読める!読みきりサイズのワンポイントビジネス講座。新入社員から管理者まで、役立つ実践スキルを紹介します。

会社とは何か?「時間の逆算方式を使う」

f:id:yukio_kato:20150514180103j:plain

何かを得たり、何かの目的達成のために、私たちは、その対価、代償を払います。買物をすれば代金は、通常、お金で払うが如くです。そのお金も私たちは自分の大切な時間を会社などに提供して、見返りとして得たものです。その手に入れるものや目的のそれぞれにより、払うべきものはお金だったり、労働力だったり、想像を絶する努力だったりと色々でしょうが、どの場合でも、何かを得るには、代わりに何かを払う(犠牲にする)システムになっている様です。

何も払わずに手に入るものなど無いのですが、現実面では、他人の”一攫千金話”など、"労せずして成功した"という話を羨み、自分も肖りたいと願い、思うのが、”人の性”かも知れません。

また、意識しているかどうかは別として、この世の全ての人が、〈過去〉から〈現在〉そして〈未来〉へと続く「タイムライン」上に生きていますね。したがって、時間は、等しく与えられた「財産」という見方は出来ても、一方、時間枠という「大きな制約」になっていることは見逃し勝ちです。(前号でも触れましたが・・・)

誰でも生まれながらに、この時間のコントロール下にある訳で、「時間」を使わずには何事も成しえません。コトバを変えれば時間は目的達成のための「ベースロード」コストと考えても良いと思います。

時間も目的達成のコストである以上、お金のように大切にして、浪費せずに、うまく効率よく使ってこそ、生きるというものです。

物事がうまく運ぶかどうかは、言い古されたコトバですが、この「時間の使い方」をもっと意識するかしないかが、地味ですが有力な手掛かりであることは間違いでなさそうです。

今日は、難しい「時間管理」ではなく、この有限な「時間について」日常、是非心がけて頂きたいことを〈2点〉について話したいと思います。

一つは、「目的(目標)達成のための逆算方式」という考え方で、既に実践されている方も多いと思います。何かをやり遂げるときには、「現時点」から「ゴール(目標)地点」を眺めて計画するのではなく、つまり、出発地点から到着地点までの段階的なやるべきこと(to do)を考えるのではなく、逆に「ゴール」から「現時点」を眺めて、逆算的に小ゴールごとのto doを決めるという手法です。

これは聞けば簡単のようですが、企業セミナー等で話しますと、いまいちピントこないと言われますので、「これは、普段も皆さんは既に使ってることですよ」といって次のような説明をして理解を得ています。

 「皆さんは、毎日、会社に出勤するにあたって、朝家を出る時間をどうやって決めていますか?」おそらく、会社の始業時間の何分前到着という「ゴール設定」をすれば、そこから逆算で、では何時に朝食を取るか?◯◯時だな。では起床は〇〇時でないと、では前夜は遅くても〇〇時には就寝しよう。と云うことは、夕食は〇〇時には済まさないと、とか、まてよ明日は月一の早朝ミーテイングがあるから・・・という具合に次々に逆算して節目ごとの to doを決めている筈です。」と。

このことは、タイムマネジメントなどで云う「時間の逆算方式」そのもので、何ら基本は変わりません。気付かず、無意識に日常だれでもが使っている考え方なのです。

これは、会社の大きなプロジェクトのアクションプランなどを作成する場合も、この基本を抑えておけば作成できます。是非、目的意識的に使って頂きたいスキルです。

勿論、個人的な目標設定の達成にも使えます。

将来の自分の「大目標」を設定し、それを達成するには、現時点から「目標」を見るのではなく、「大目標達成地点(ゴール)」から現時点を眺めます。そして、その「達成地点」に来るまでの道中は、やるべきことが、いろいろ有る筈ですが、それを(小目標)として段階的に決めてゆけばよいのです。この時点(小目標)でこうなっているには、前の時点(小目標)達成までには、何が出来ていなければならないかなど逆順に考えて現時点までを辿って計画を立てるのです。

2つ目は、書店の「仕事本」などにもよく記載を見ますが「スキマ時間、こま切れ時間」の活用についてです。「一円を笑うものは一円に泣く」と幼少時に親から言い聞かされましたが、時間も有限と考えれば少しも無駄には出来ません。

「時間」は、何かを生み出す「可能性」の源泉そのものです。成功者、仕事の出来る人と言われている人で、時間が有り余っていて持て余しているという話はあまり聞きません。むしろ多忙を極めている人が多いのではないでしょうか。

よく会社では、「仕事を依頼するときは、忙しい人に頼め」と言いますが、的を得ていると思ます。

時間があっても、効率よく活用できていなければ、生産性の向上は望むべくもありません。

「時間活用術」なる秘策などは無く、「時間を無駄にしない」と云う心掛けが大事です。少しの手空き時間など、一日に多く発生する「こま切れ時間」が生じたら、この言葉をつぶやいてみます。『今のこの時間内で、出来ること・やるべきことは無いか?』たったこれだけです。

意外な「やるべきこと」が必ず見つかることをうけ合います。

これを習慣にすると、だんだん色々なことが少ない時間でも出来る(少ない時間の集中力を使う)ということを知って頂きたいと思います。先の「時間の逆算方式」と合わせ、是非実践を試みて下さい。