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会社とは何か?「コンプライアンスの真髄」

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社内訓話などで聞かれる言葉の一つに「コンプライアンス」というコトバがあります。意味は言わずと知れた”法令遵守”となりますが、どちらかと言うと何かよくないことが起こった時に、「ガバナンス」の問題を含め、この「コンプライアンス」はどうであったか、などと問われたりします。

企業が不祥事の釈明会見を開く時、社長さんが「コンプライアンスには日頃より社内で徹底しておりましたが、この度は誠に・・・・」となります。

こう言った使い方や経営層の考え方に、しばしの違和感を覚えます。

と言いますのは、コンプライアンスは「法令遵守」と一般的に訳されていますが、間違いでは無いにしても、この訳意は適切かという疑問があります。コンプライアンスを企業が「国等の定める法令、法規類に違反しないこと」であると直線的に捉えていた場合「本当にそれで良かった?」」と言いたくなります。

企業は法律の上では、人と同じように住所もあるし、社会的な権利も義務もあるわけで、時として「法人」と呼称されるのはそう云った意味からも頷けます。

善良なる一般市民は「私は日頃より法律を守るようにしています」と、ことさら言ったとしたら、それを聞いた人は、なんか変に感じないでしょうか?何故かと言うと、それは、当たり前のことだからだと思います。

企業とて同じです。企業が「虚業」ではなく、本当の意味で「実業」であれば、社会の要請に基づいて存在している訳ですから、「一企業市民」として法を犯すことは有り得ないと見られます。

また、「法に触れなければ何をやってもよいか」と、厳しい世論の目が注がれます。

一頃、御社のコンプライアンスは?と問われると、我が社は、これこれにちゃんと法律類を『守っている』、『守らせている』でよかったと思いますが、現在の世の中の見方は、何回も触れますが、企業が「法律遵守」することは、守るべき最低限の”当たり前”のことであるという厳しい対応になって来てます。

しかし、目の当たりする様々な企業不祥事の中には、守るべきものも守らない、守れない企業もあることは事実であり、法令さえも遵守できない呆れた企業もあることも事実です。

これらは、論外としても、「法令」は絶対社会規範でもあり、この社会に存在するものを丸ごと律しています。つまり「他律的」なものと言えます。義務として従わなければならないものです。

しかしこれからは、企業は「自律的」に一歩高いところを目指し、自社の経営理念等から生まれた『倫理観、ルール・規範』などをコンプライアンスの中に、自社の意志としてどの様にどれ位織り込めるかが「鍵」になるでしょう。

それを全社で「守ること」それがコンプライアンスであると思います。

もっと言えば、「決めてあることは必ず守る」ことが「コンプライアンス」と言えなくはないでしょうか。