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会社とは何か?「仕事の守備エリアはどこまでか」

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誰でも、職場で自分の坦務を持っています。会社から命じられた一定の「守備エリア」があって、それを毎日忠実にこなして行かなければなりません。

賃金は、本人の資格等級やその遂行度、貢献度などが加味され自社の給与規定によって、支払われています。

しかし、支払い給与と自己の仕事の範囲は明確にリンクしているかというと、必ずしもそうとは思えませんね。

「えっ!それって私の仕事!?(仕事の押し付け)」と思う時と、「えっ!それは私の仕事ですけど!?(越権行為的、領海侵犯)」と思う時などはある筈です。

 

このような現象は、その時々の周辺事情により発生してきますから「何が良い悪い」ということではなく、このような場面では職場の円滑な人間関係をも考慮しつつ、ある程度は許容せざるを得ないのが現状でしょう。

問題は仕事と仕事の間の部分です。普段はあまり考えられていない、気づいていない部分ですが、どの様な職場にも大なり小なり存在しています。

何故そうかというと、考えられることは「仕事」は、「能力」と同様に給与を決める重要な要素の一つでもありますから、一般的には職務調査などにより、自社にどの様な仕事があって、またその仕事は、どの様な「職能要件」によって行われるべきかなどを決めています。

つまり、今の「仕事」は今決められたのではなく、過去のある時点で決められとことに基づいいます。

ですから、一つは、当然かなりのタイムラグが生じていますから、過去の決められた時点と現在とでは、そぐわなくなってきているという事も考えられます。

 

また、会社の「職務分担表」などは、「主要業務」しか列挙されていませんから元々、全ての業務を網羅しているわけではありませんから当然といえば当然なことかもしませんね。

このようなケースは、部門対部門、課対課、係対係、担当者対担当者、間で現実に発生していますが、問題はその時々においては、どのようなスタンスで対応すべきでしょうか?

先述のように、職場の人間関係云々だけでは片付けられない場面もあるでしょうが、二つの選択肢が考えられます。

一つは、頑として自分の守備エリアに固執して、「狭間の仕事」を拒否する。

もう一つは、苦しくても応諾してマイジョブ(あるいは課業として)として遂行する。

です。

私は、「マイジョブとしてやる。」という方を推奨します。理由は、自己の守備エリアが拡大するからです。これを嫌だという人も結構いらっしゃると思います、それはそれでよろしいかと思います。(もともと良い悪いの話ではありませんから)

受け持ち範囲が狭い方が、仕事的に楽だからという考えだと、仕事とともに成長する可能性も低くなりますし、仕事には一定の権限もついてくることもあります。

将来の展望を持って自己研鑚を積んでゆく覚悟であれば、「これは私の仕事ではない」と言う前に少したちどまって考えてみることも重要です。

会社の仕事は少ない範囲をキッチリやっているよりは、特に若い伸び盛りの中堅社員さんは、貪欲に狭間の仕事から、一歩踏み込んでエリア外へ進出というのもこれからは全然ありだと思います。

かって、私も、組織のNO2であったときに、トップの仕事に少しずつ切込み、(侵食といったほうが適切)かなりの仕事(=権限)掌中にしたことがあります。

やり方は、簡単です。不在時などにトップに代わって(事後承認)を前提に代理決済や小さな指示をやるというものです。

そのうちに、その一定の範囲を飛び越えて、「越権」してゆきますが、(注意されたら謝って止めればよい)されなければ、そのまま、踏み込んだところまでが、「私の陣地」になるという訳です。

これは、極端な例と思われるかも知れませんが、そうでもないと思います。

 

特に、上位職位への任用を控えてる方々は、自分の「上司の仕事を取る」くらいが丁度よいでしょう。

主任であれば、係長の、係長であれば課長の仕事を奪ってやるくらいの勢いがなくては、上司や人事サイドは太鼓判を押してはくれないでしょう。

給与もそうです。ご承知のように、一頃、万能であった「職能資格制度」の神話は崩れつつあります。職能資格は無くならないにしても、上げた業績を評価に織り込む併用型の給与制度にシフトしている企業が多いようです。

つまり、これからは、同じ職能資格であっても、その携わる職務の「種類、質、量」などに着目して処遇が決定されると言って良いでしょう。

 

どうぞ、守備範囲に固執しないで、狭間の仕事は勿論、やり方はともかく貪欲に仕事に切り込んで行くことをお奨めします。それは、容易でないにしろ、異なる角度の視点で今の仕事を眺めることにもなって、新たな発見や見直しにつながることが往々にしてあります。

仕事は楽な仕事を「よし」とするのではなく、自分のキャパシティーより少しオーバー目位の負荷が丁度よいでしょう。

今まで無理と思った仕事でさえ、いつの間にかやっている自分に気付かれて、開拓されたあなたの能力にあなた自身が改めて驚かれされることでしょう。