やさしい ビジネスショート講座

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会社とは何か?「やりたい仕事・やりたくない仕事」

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近くの公園の桜も散って、早くもGWです。皆様、待ちに待った休日をいかがお過ごしでしょうか。その一方で、カレンダーどおりには休めていない方々は、お仕事大変ご苦労様です。

サラリーマン世界には、〈3日、3月、3年〉という言葉がります。ご存じの方もいると思いますが、「会社を辞めたい」と思うタイミングのことを指しています。

今日は、今時分になると、誰でも一度くらいは考える、”この仕事でを選んでよかったのだろうか?”について考えてみたいと思います。

新入社員の方々は、研修などで無我夢中に一ヶ月があっという間に過ぎて、ホット、一息つくのがこの頃です。休日に学生時代の友人に会って友人の会社の話を聞いたりすると、急に"隣の芝生が青く"見えて来て、自分の進路決定はこれでよかったのだろうかと疑念が頭をもたげます。

現在は現場実習期間中で本配属は未だ先ですが、果たしてこの会社でずっと頑張って行けるのだろうか?仕事は、自分に合っているのだろうか?と悩む方がいます。

更には、仕事も覚え入社2~3年頃や、そろそろ「中堅どころ」にさしかかっても、桜も散り、GWも終る頃の物憂い季節になると新入社員でなくても、やはり、「自分に今の仕事は合っているのだろうか?」「自分の本当にやりたい仕事はもっと別なところにあるのではないか?」と考えてしまうことがあります。

考えるだけでなく、いずれの場合も、本当に会社を辞めてしまう人を多く見てきました。

そして多くの場合、その後の就職先で定着できれば良いのですが、私の知るケースでは、ほとんどの方が、更に転職を繰り返し、自分に合った仕事、やりたい仕事、探し続けることになります。

しかし、「やりたい仕事」ってなんでしょうか? やりたい仕事が見つからないからとりあえずフリーターで、という方も今は多く見かけます。それはそれで自分の夢を追って「自己実現」できる道を模索するわけですから、第三者がとやかく言う筋合いのものではありません。

ここでは、いろいろ考えたり(考えなかったにせよ)ある種の決断を持って、今の会社に入社したにもかかわらず、未だに色々考えたり悩んだりしている方々に、特化してお話します。

先ず、やりたい仕事に付けば実績を上げ成功するとは限りません。よく聞く「好きな仕事であれば頑張れる」という「魔法のコトバ」を支えにしている限り、目の前の仕事に全力投球は出来ません。

実社会での現実は、真実です。筆者も身を持って体験しています。頭で考えていたその世界と、実際に身をおいた時のギャップも当然有るでしょうし、何故かと言うと、個人の要求や要望を聞いて会社は作られたわけではありませんから、自分にあった会社や仕事を探すことは、運良く”合えばラッキー”ですが、そうでなければ”合わせてゆく”しかありません。

そんな宝くじ的就活は嫌だと云う場合は、前記のとおり、振り出しに戻って、さらなる「自己実現」可能な”職探しの旅人”になるしかないでしょう。

それしにしても、今の世の中そう”選択肢”もありませんし、常に「時間という制約条件」を意識しなければならないのです。時間は全てに優先する制約条件であることは以前申し上げました。会社の事業も個人的な計画も、その実現に向けては常に目標や課題との間には時間との「トレード・オフ」関係が成り立ちますから、何かを成し遂げるには、それに要するだろう「時間」を考慮しなくてはなりません。

話を戻しますが、会社の仕事をするにあたっては、ある種「腹を括る」ことも必要です。それがないと、いつまでも「これで良かったのか?」の病から逃れられないのです。ある企業の新入社員の話ですが、一流大学を出て、一流企業に入社して会社からは将来相当のポジションまでも望めそうだという鳴り物入りの新入社員が、入社早々躓いたのは、驚きの出来事でした。

ある部署に配属れた新入社員は、前評判に反し、あまりにも精彩がないので、人事担当が面接して聞いてみると驚きのコトバが出てきました。

「私がこの会社に入ってやりたかったのは、〇〇の仕事です。△△の仕事は向いていませんので、この仕事では頑張れません!」

お分かりのように、会社は、個人にとって「好き・嫌い」、「向き・不向き」で仕事をあてがいません(若干の考慮をすることも有る)からそれが嫌な人は、会社には、就職しない方が良いと思います。

フリーランスや自由業などであれば好きなことをやれるでしょうから”旅人コース”を考えるのも良いかもしれません。

会社は、あくまでも、社員個人は、「メンバー・オブ・チーム」ですから、チームの一員として扱われ、仕事を与えられるのだと、まず考えを固めてないと何年たっても悩みは消えないと思います。

追記ですが、会社の人事担当は、将来をある程度見越し、「経験を積ませるための配置」や、あえて困難職場で、どれだけ「やれるか、頑張れるか」なども見ています。

「こんな仕事ではやれません」と言っていては、即NGになることは云うまでもありません。

会社では、「仕事」とは、”自分がやるべきことをする”ことが「仕事」です。

つまり目の前の与えられた仕事が、自分の仕事(マイ・ジョブ)です。

面白味もない、つまらないと思える仕事でも、自分は、お金をもらっているのだからこの仕事のプロだと思いましょう。そして、よく教わる、よく勉強する、自分の担当している仕事は会社の仕事では、どの辺に位置している仕事になるのかなど、周辺の会社業務にも関心をもって勉強するようにして欲しいです。そうすると、だんだん無味乾燥に思えたことにも楽しさが加わってくるから不思議です。

まず、こうした知識やスキルの「核」が一つ出来ることが大事です。この核が元になって、そこにさらに関連した業務知識や自ら興味を持って勉強したこと等がくっついて来ます。さながら”クロスワードパズル”の小さなピースの如く、次々に知識や、スキルのピースがつながって、やがてそれが形のある大きなものになってくると、それが皆さんの仕事の大きな自信や喜びににつながって来ると断言できます。

そして、仕事を覚えたら、「もっとうまくやる方法はないか?」「改善や改革する箇所はないか?」等いくらでも仕事の”楽しみや、やり甲斐”は出てくるものです。

人も初対面の印象では、多少「?」あっても、付き合ってみたら、「楽しい人」だったと云うこともあります。

社会に出ると、出ない前に、頭で考えていたこととは、大きなズレがあります。

自分の居た「今までの世界のルール」から、「会社という世界のルール」が適用される事になったわけですから、違和感や馴染みが薄いことはあたりまえでしょう。

会社のルールに早く慣れて、そして与えられた仕事に対し、自分としての「使命感」が生まれればもう大丈夫だと思います。

会社では、「やりたい仕事・やりたくない仕事」ではなくて、”やるべきことをする”のが「仕事」なのです。