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会社とは何か? 「経営計画」

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今日は会社で作成される「経営計画」についてお話します。経営計画と聞くだけで、それは、「経営・管理者層」の話で、あまり自分には関係ないと思う向きもあるかもしれませんが、実は各自の仕事に大きく関係しています。経営計画をよく読まずして、「うちの会社は何をしようとしているか分からない。」「社長の考えが見えない。」などと云うには、いささか憚ります。

経営計画と言うと、中身を見ないうちから、いかにも面倒臭そうですが、経営計画の大まかな基本構成は、①社・内外の現状分析 ②年度目標 ③年度方針 のたったこれだけです。「うちの会社には、もっと色々な資料があるよ」とおっしゃる方もいますが、それらは「関連・付属資料」と思います。と言うか、各社の考え方で、いろんな作りが存在しており、内容もかなりテンコ盛りのものがありますが、抑える点はこの3つです。

これら「全社共通事項」は、それぞれその後、各部→各課→各係→担当者まで、目標も方針もブレークダウンされ、会社によっては、上司面接を経て「個人目標の付与」にまで行き着くことになります。

自分の見積もった個人目標は、面接時に上司によって修正されるという経験をお持ちの方もおられると思いますが、上司は会社の年度の経営計画により示達された部門あるいは課目標に鑑みて、修正をかけています。

ここで「目標」とは、会社の創業以来の事業「目的」に由来します。それを今年度「どれだけやるか定量的に示したもの」が「目標」です。「方針」は、それを「どうやるか」を示したものと言えます。

しかるに目標と方針は、セットで示されなければ万全ではありません。目標の示達だけで方針が無いものは、目的地を示されても、そこへ行き着く手段・方法を勝手に考えなさいということにも似ており、不効率だけでなく職場の混乱を招きます。

 

勿論、全社を規定するの(大方針)と言っても、これを受けて定められる各部門や各課の中・小方針や具体的な活動になる(戦術)までは制約してはいないことは、ご承知のとおりです。

最近は「〇〇戦略」というコトバをよく耳にしますが、この戦略とは、方針とは殆ど同義語と解釈して差し支え無いようです。やたら戦略という言い方が目に付きますが、一種最近の流行りかも知れませんね。

会社によっては、「経営(計画)」でなく、年度の「経営(方針)」というものを作成する会社がありますが、中身は変わりません。また、「年度(事業計画)」というタイトルも目にしますがで、やはり同じようなことです。名前は違っても社長さんの意図するところは同じようです。

注)但し、起業時に作成する「事業計画書」とは、目的も違いますし内容も異なりなります。

ご案内のように、経営計画は〈単年度〉だけでなく、〈中長期〉のスパンでの経営計画も策定をされている会社もありますが、ここでは省略します。

 少し余談ですが、前出の「目的」とは、会社創業以来の事業の「目的」のことで、これは会社の「定款」の中に定められています。自分の働く会社は、そもそものどのような社会的使命・機能を果たそうとしているのか等、会社の存在理由・意義を表しています。社員としてこれらを知ることは、言わずもがな大切なことです。

また、社内に掲出されている『我が社はお客様第一・・・・云々」』など「社是」と言われるものは、経営者が理想とする事業経営の思いを記したもので、これは、しばし「理念」とも言われます。

そして、この「目的」や「理念」は事業が続く限り「不変」です。またこれを一緒にしたものを「ビジョン」と云ったりします。そして年度や策定の単位ごとに「変わる」のは、経営計画などで示される「目標」や「方針」と云うことになります。