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会社とは何か?「社内コミュニケーションの目的(1)」

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「コミュニケーション」の定義・解釈は一般論として、友人達との楽しい会話から会社の仕事上のものなど多岐に亘りますが、今日は「社内コミュケーション」についてその機能・役割・目的などについてお話します。

一般的にコミュニケーションは、「意思疎通や相互理解」を図ることを目的とすると云う解釈が多く見受けられます。「社内コミュニケーション」も、基本はその範疇に留まるものですが、組織においては、それだけでは不十分です。勿論、それで事足りることも往々にしてありますが、社内コミュニケーションでは、もう少し、推し進めた解釈が成り立ちます。

例えば、あなたが或るプロジェクトのリーダーであったとします。納期を3ヶ月後に控えて、計画の進捗が予定より大幅に遅れていることが判明しました。あなたは、早急にメンバーにそのことを説明し、その原因を探り、軌道修正を図るなどの対策を執らなくてはなりません。

その時、あなたが採る手段こそが「社内コミュニケーション」にほかなりません。あなたは、メンバーにプロジェクトの進捗状況等を自らのコトバで説明し、メンバーとの意思疎通や相互理解を通して、更に「共感と合意」にまで辿りつけなくてはなりません。

しかし、それで終わりではありません。あなたの最終目的は、プロジェクトの遅れの原因を明らかにし、対応策をもって、3ヶ月後の納期に間に合わせるということです。お分かりのように、一般的なコミュケーションとは異なり、社内コミュニケーションでは、相手(複数を含む)との「共感合意」を得た後に、大事な「目的」を達成させるという意味合いがあるのです。

関連して、少し横道に入りますが「仕事の 目的」は時々思い起こさないと、いつの間にか「迷宮」に入り込むことがあります。まさかとお思いでしょうが、ルーチン以外では、よくあることです。仕事が何事も無く順調に行っている時は、良いのですが、大きな仕事ほど、障害や壁にあたります。上司、顧客先、他部門からの色々な注文や指摘をもらい、しまいには混乱とパニックに陥り「自分は今どの辺にいるのか」、「何をしているのか」すら、分からなくなってしまうのです。「そういえば!」、と思い当たる方もいらっしゃるでしょう。

このような時も、恐らく「道迷ったら振り出しに(原点)戻る」ではないですが、当初の「目的」を確認できれば、そこから仕事の軌道修正は可能となる筈です。当たり前ですが、大きい仕事でなくても、仕事は目的を思い出せれば軌道を逸脱することはありません。

また、本論に話を戻しますが、「社内コミュニケーション」が必要であることは誰しも認めるところですが、その実あまり、その目的、重要性を認識されていないようにも思われます。例えば、プレゼン然り、「うまく話そう」とか、「スタイル」のことがむしろ気になって来たりします。キーワードは、『このコミュニケーションで自分は何を果たそうとしているか?』と自問することも一つです。

そして、社内コミュニケーションを介さずして、いかなる仕事も成就しないということを、そしてこの「社内コミュニケーションの持つ力」を改めて考えてみる意味はあると思います。

春先のことですが、ある新聞社の企業経営者の方々に対する「アンケート調査」の記事が目に止まりました。内容は、自社の新入社員に「期待・要求する能力」とは、という問いに対し、第一位の回答は、これまでの「協調性」、「忍耐力」などを抑えて、「コミュニケーション能力」が挙げられておりました。時代の変遷とともに、企業の期待する人間像も、変わって来ていると云うことを実感いたしました。