やさしい ビジネスショート講座

2分で読める!読みきりサイズのワンポイントビジネス講座。新入社員から管理者まで、役立つ実践スキルを紹介します。

「社内ビジネス上の問題の答え」

f:id:yukio_kato:20141128081639j:plain

前回のブログで、”いわゆるビジネス上の問題の答えは、学校で教わる問題の答えと異なり、正解と言えるものは無い”と言いました。しかし企業内では、年度当初には、一定の方針が示されますし、日常的には種々の問題点に対し、それぞれの判断が下されて指示として発せられています。そして社内は、これにもとづき事業活動を行います。では、会社の方針や指示は「正解」と言えないものが社内に示されているのでしょうか?

そうとは言っていません。

 


企業内にかかわらず、社会一般における問題の答えは、その性質上、学校の問題のように正解というものはありませんから、どのように時間を掛け熟慮検討尽くされた答えでも、平たく言えば「恐らくこうだろう」の域を出ることが出来ません。これは「絶対の解」であるというものは、何回も言いますがあり得ないことです。ではどうするか、ここで重要なことは、「現状で、最もふさわしい解を求める」ことは出来ます。まず、問題というものは千差万別ですから、ケースごとに問題の構造やその問題の持っている条件(制約条件を含む)などをよく観察して問題点などを洗い出します。そして、いくつかの解決策を作ります。それから今の持てる社内リソース(ヒト・モノ・カネ・時間etc.)に照らして、「最大限の解」を導き出す努力をしなければなりません。短絡的に、過去の類似事例、対応策、戦略を真似て、少し手直しをした”解答”をもって、明日の戦略や対処策を決めても、到底、有効打にはなり得ません。そのような安易な解決策では結果は致命的になる恐れさえ考えられます。

巷間よく言われますように、「過去の成功体験が忘れられない企業」というのは「過去問」の答えにこだわっている企業と言えます。企業の問題解決は「資格試験の過去問」のように過去の中にだけ答えがあるとは限りません。

しかし、過去問の答えを全否定しているのではなく、失敗事例などは大いに学ぶべき点はあるでしょう。

この、反省材料を活かすサイクルが大切です。ビジネスでは過去の方針やそれにもとづく日々の事業活動を反省して、(検証とも云います)それを次の施策に手直しをして組み込みます。

そして、「今における一番正しいと思われる答え」を創ることになります。

これを、ことばを替えて言いますと皆様もよくご存知のP・D・C・A(またはP・D・S)サイクルにも繋がります。

最近では、仮説→実行→検証→(新たな仮説)・・・というサイクルになります。企業では、毎日何百回という経営上の判断・決断がなされますが、それは現時点における仮説であり、その仮説にもとづいて、やってみて、まずい点はリファインして、また新たな仮説(当面の解答)を設定して、企業の続く限り繰り返して行くことになります。

つまり企業の日々の決断・判断は、「仮説」だということです。今時点正しいと思われる仮説にもとづいて、会社でもプライベートでも行動して行くしか無いわけです。その決断で正しいかどうかは、分からないからです。

このように、企業活動での仮説はどこまで行っても仮説としか言いようがありませんが、仮説を実行しその結果に大いに成果が認められた時は、その判断は正しかったこととして経営・管理者陣のみならず全社で大変喜ばしいことに違いありません。

その時だけは、その仮説を「正解」だったと言える時かも知れません。