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「問題意識」と「問題解決力」について

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学校で教わる勉強には必ず答えがあります。数学であれば、解き方や公式などに従えば誰がやっても同じ答えが導き出せます。しかし、企業や社会一般の問題にはこれが正しい答えだというものはありません。「そんな馬鹿な」とおっしゃる向きもあるかもしれません。しかしこれは真実です。今正解と思われている、やり方、方法、手順は今正解としてやっていることに過ぎません。その周辺事情や、客観情勢が以前と異なれば、もう使い物にならないというケースはよくあります。

 



今私達が、取り入れているシステムや各種課題に対する解決策や対処方針は、世の中の変化や、業界事情、お客様要望などによって現行のままでは対処出来ないことがいくらでもあります。

これが、日進月歩いつもよく言われるように「変化」に敏感でなければならないという理由の一つです。

「今はこれが正解としても、しかし次は何が来る?」と常に自問することが必要となります。

今はうまく行っているビジネスモデルや各種戦略も時や時代と共に色あせてきます。

問題なのは、うまく行っている時の方針、方法やなどに固執してしまい、なかなか変えようとせず、例えば販売不振に陥ると、販売担当者の根性が足りないからと「ハッパをかける方式」のやり方に陥ることです。

この様な場合、自社の商品力やサービス力はお客様に受け入れられているか、市場の変化や競合他社の戦略は如何に?などの切り口で考えるべきところです。

つまり、問題の所在を間違えている場合です。経営者、マネージャーの「問題解決力」が問われるのはこのような時です。しかし、人間同じ問題に遭遇しても、問題を問題として捉えられない人もいますし、反対に「これはまずいぞ」ということで、すぐには答えを導き出せないにしても、このままでは行けないという意識を持つ人がいます。この二者には何が違うかというと、一口に言えば「問題意識」があるか、ないかになります。

いろいろな問題に遭遇した時に、これはいかん、マズイぞという「問題意識」を持てるか否かが重要な分かれ目です。

企業や社会にあまたある多くの問題と言われるものは、そう簡単に解けるものではありませんが、まず、これは問題という「問題意識」を持つことが「問題解決」への第一歩になるのは間違いありません。

問題を問題と感じていない人には、どこまで行っても問題は解けないからです。

部下社員に「もっと問題意識をもって取り組みなさい」と言うケースは社内でよく見られます。しかし問題意識の希薄な人は、問題意識なるものが、言葉として分かっても(それは本当は分かると言えない)よく分からない筈です。

何故かと言うと問題意識は、突然頭の中に湧くものでもなく、「あるべき姿」を描けるかどうかにかかります。

それには、普段から社内の情報のみならず、業界、世の中、お客様要望などの多岐に渡る情報にアンテナを持ち敏感に収集して、会社の経営方針などに照らして自己の中に、「一定の基準(あるべき姿)」が持てていなければなりません。それが問題意識の原点になります。

同じ現象や問題を見ても、「これはまずいぞ」と思う人とそうでない人の違いは、まず自己の中に照らしあわせてみるこの「基準」あるかないかです。照らしあわせてみる基準を持ち合わせている人は、そのズレ度合いに一種の違和感を抱くはずです。これが「問題意識」であり、これは、何らかの打つ手を警告している「アラーム」であると捉えても良いと思います。