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仕事の「デユアル・タスク」は有りか?

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ヒトは脳の命令により、異なる2つの事柄を同時に行うことが出来る能力を、もともと持ち合わせおり、それを専門の分野では「デユアル・タスク」=(2つの仕事)と呼ぶそうです。

職場でよく目撃される光景の中で、上司の指示に対して、部下が「すみません。今、別のことをやっていますので・・・」つまり、上司の仕事の発注に対し、「出来ません」と、にべも無く断りを入れる社員がいます。その時の上司の心の中は、きっとこうです。

①内容くらい聞きなさいよ。②仕事の「納期」も聞かないで拒否か?③やっている仕事とは何だ?内容によってはこちらの方が「優先」することもあるぞ!etc

上司は、部下社員の「繁閑の度合い」をよく見ていますから、仕事を”依頼”する時も、A君ならいいかなと、つまりA君と見込んで仕事を発注している訳で、その見込まれたA君の対応が前記のようでは、課長さんは「がっかり」でしょうね。

一般的には、一つのことをやり遂げてから、つぎの仕事を手掛けるべきだと、言われわれていますが。その考えは、間違いではないと思いますが、”時と場合”によりけりでしょう。

よく上司や先輩に、「緊急性」と「重要性」は違うぞ!とか、常に仕事の「プライオリティ」を考えろ!と叩きこまれますね。

仕事によっては、ワンパターンではなく、状況により時々刻々と変化するものもあります。今の時点で、やるべき最優先の仕事であっても、明日はそれを一旦脇において、「取引先」や「お客様」関連を先に処理しなければならないことはよくあります。

これら仕事の「プライオリティ付け」の問題は、基本中の基本ですから別にしても、同時に2つ以上の仕事を受け、これを「はかす」ことも求められます。

上司は、若干無理かなと思っても、敢えて仕事を発注することがあります。「仕事を頼んでもそつなくこなせる社員」、「やる気があって見どころのある社員」、特に「早期育成のキャリア・パス上にある社員」などには、ややきつ目の負荷を与え、どの位出来るか?また、その成果を見定めて、今後の「指導・育成ポイント」にするなどの意図で上司は仕事の発注を行う場合があります。

会社では、よく「出来る人」のところに仕事が集中すると言われますが、このようなことからしても、それはあながちデマではありません。

しかし、同じ給料で、集中された方は「何で私の所にだけ・・・?」と不満に思われるかもしれませんが、それだけ周囲の信頼や期待が大きいということもあります。

ネガティブに不公平感を募らせる前に、それをチャンスと前向きに捉える事ができるかどうかが「分かれ道」です。

それが、何年か経つと大きな差となって現れてくるのです。ことわざに曰く「チャンスの前髪をつかめ!」です。チャンスの後ろ髪は「無い」そうですから。

実際に会社で、仕事が出来ると言われている人の仕事のやり方を見ていると、大体幾つかの仕事を「掛け持ち」でこなしていることが分かります。

仕事を〈はかす道〉が、「一車線」でなく「二車線」、ときには「三車線」などで仕事をこなしているようです。

脳科学で云う「デユアル・タスク」どころの話ではありませんね。

仕事を「複数掛け持ちでやるなんて無理!」のように思われますが、勿論、それには、それ相当の”創意工夫”が必要になります。先ず、社内外の動きに敏感になること、得た情報から、次に何がテーマになるか予測することです。この情報から「次は何?」と自問して自分なりの答えを出すこの”訓練”をしておくことは重要です。

答えは以前の号でも言いましたように「ビジネスの問」には学校のそれと異なり「正解」はありませんから、自分が「正解と思える〈考えを持つ〉こと」が重要です。

これはポストが上がれば上がるほど重要なスキルとなります。例えば「マーケティング」なども、つまりは、得た関連の情報を元に「こうだから、次はこうなる」と予測したものです。「今はこれ。しかし、次は何か?」と考えながら仕事をます。「最近のお客様、業界の動向や諸事情からすれば、次はこうかもしれない。」「だから次の売れ筋商品(サービス)はこれだ!」など拾集情報から何かを読み取ることが重要です。

身近なことでもそうです。「経営会議」が定例であれば、そろそろ◯◯関係の会議資料の作成オーダーが上司からありそうだと予測出来ますから手元の情報を元に仕事の準備が可能となリます。上司から指示を待つだけの仕事から、自らが仕事を追いかけてゆくことも出来ます。

これらは、ほんの一例ですが、与えられるだけの仕事から、工夫次第で仕事をコントロールすることが出来るようになります。そして、それは一味違った仕事へ手掛かりにもなるのです。