やさしい ビジネスショート講座

2分で読める!読みきりサイズのワンポイントビジネス講座。新入社員から管理者まで、役立つ実践スキルを紹介します。

会社とは何か?「自己評価&他者評価」

f:id:yukio_kato:20160624180928j:plain

先日、あたら知事の座を”自らの不徳とやら"で棒に振った方がいました。政治家の方は立候補して選ばれる訳ですから、自分自身に確固たる信念や自信がなくては務まらないというのは誰しも分かります。しかし、自信過剰はどうでしょうか。Mさんがそうであったかは分かりませんが、一連の報道を見る限り、どの様な指摘や疑惑に対しても、その自信に満ちた強気な受け応えには、謙虚さや誠実さは感じられず、マスコミやその向こうにいる一般大衆に、「我何ら臆することはない」という尊大な印象すら与えてしまったように思えます。

ビジネスの社会でも同じようなことが言えます。自信を持つことは悪いことではありませんが、自信過剰は命取りになることもあります。

会社での評価とは、自分以外の第三者がするものですが、自己評価と他者評価が一致する場合は問題ありませんが、ギャップがある場合は往々にして自己評価が高い場合です。

誰でも、自分のことを”可愛くない”人はいませんから、上司の評価が思っていたよリ低いとがっかりします。なかなか受け入れられないのです。

今は、被評価者に対し、評価の根拠を明らかにしている会社も多くありますので、社員は自分の評価根拠を上司をから知ることはできます。

それを聞いて、「なるほどそうか」と思えるか、「そんなバカな」と思うかです。

 

「人の目から見たもの」と、「自分の自分への評価」と違っていてもそんなに不思議ではないでしょう。

Mさんのように優秀な国際政治学者でも、ここは政治資金を使っていい場面かどうか分かったはずですが、自分のことが自分で見えていないから、(恥ずかしいことをしている自分が見えていないから)不適切な処置をしたと考えられます。自己には甘かったと言うしか無いと思います。

以前のセミナーでも少し触れましたが、「自己を客観的に見れるか?」はいかなる時でも重要です。

つまり、自分の組織での言行は、どう回りに映っているかは、気にかけておく必要があります。

会社の成績に反映される「評価」は当該社員の『職務行動』にフォーカスされるものですから注意は行きますが、意外に見落とされるのは、アンオフィシャルな評価でしょう。

つまり、広い意味での「評価」は上司から受けるものだけでなく、部下、同僚、受付さん、守衛さん、掃除のおばさん、社員食堂の賄いのおばさん、部署によっては、取引先、お客様等々を含めて、こちらの意向に関係なく、しっかり見られている(評価されている)と見るべきです。

自分の上司以外はいわゆる職務行動を見ているわけでは無く、またその権限もありません。だからかと言って油断をして緩む時が、大きな失態をするチャンス?なのです。

これ位はいいだろう的なちょっとしたルール、マナー違反、ぞんざいな態度・コトバ、それが、良からぬ評判や風評となって上司や会社の上層部にまで届いてしまうことはよくあることです。

私自身が組織で人事部門の責任者だった頃、トップに呼ばれて部屋に行くと、昇任候補の一人だったA君について「A君は、掃除のおばさんや守衛さんに評判が悪いのは何故か?」と尋ねられました。A君は一流大学を卒業し、業務成績優秀で同期の中でもトップを行く人物で、いち早く課長昇任のリストに乗っていました。

しかし、調査の結果、直接業務に関係ないとはいえ、社業を下支えしている「おばさん、おじさん」に対する言動に問題ありと認められ、見えないところで素行の悪さ、裏表の有る利己的な人物という見方(評価)を下されてしまったのです。結果、課長昇任は見送られてしまいました。

A君は、会社にいる”おばさん”や”おじさん”などは、自分の評価には関係ないと思のったのかどうか分かりませんが、自己の利害関係のある・なしで態度、コトバが変わるような浅い”人間としての品性に問題ありで、”再教育の判を押されてしました。

部下を従えて仕事をする立場になると、仕事のマネジメントだけでなく、人を動かして業務を遂行することになります。課長職だけでなく、主任、係長、グループ・リーダー等のマネージャーさん達は、仕事ができて当たり前ですが、問われるのは、もう一方の”その人となり”や”人間性”です。

人間性の解釈や定義は、それぞれにおまかせ致しますが、部下を持ったら先ず「滅私」です。利己を捨て、他利を優先した上司でなければ部下は心から従わないでしょう。

また、自分の口から自分を飾るコトバも、周囲に、必要以上に自己愛の強い人とみなされますから謹んだほうが良いと思います。

かって、英語に堪能な上司に使えましたが、T大卒だからそんなんものか、位に考えていて、(本人からそれらしきことは一度も聞いたのではなく)、後で分かったことですが、本社時代の若き頃、成績優秀につき、マサチューセッツ工科大に派遣留学で学位ありと言うことが分かました。

私は、一緒にいた頃は、そんな経歴とはつゆ知らず「英会話がうまくなるコツを教えてください!」などと言ったことを思い出して赤面した次第です。

本当に出来る人とは、自らを語らずとも、自ずと周囲が認め評価するものなのだと思った瞬間でもありました。