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会社とは何か?「用済み情報の使い道」

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一つの仕事が完結するまでに私たちは種々の情報の助けを借り、また、情報そのものが仕事そのものだったりします。たった一つの情報(アイデイアも情報)をもとに、膨大な時間と努力と出来上がりイメージ力などを使い世界を変えるビジネスモデルが多く生み出されています。身近なところでは、製品を創る技術も、機械操作のスキルも、接客スキルもそれを習得するには何らかの情報が媒介していることが分かります。もはや、仕事だけでなく、何をするにも情報抜きにしては、成り立たない社会になっているのかも知れません。

今日はこの広汎膨大に存在する情報のうち、日々接する身近な情報についてスポットを当ててお話をします。

日々の仕事で、経験することですが、自分のやったこと(仕事)が、後で、同じようにやろうと思っても、準備段階から戸惑ったり、うまくやれないことがあります。

これは、冷静に自己を客観視するまでもなく、明らかに現在の自分は、未来の自分とは「違う」ということです。未来の自分が、今の自分と同じ様に出来るとは限らないのです。

ですから、今の仕事について一番よく知っているのは、常に現在の自分だけと云うことを念頭に置かなくてはならないと思います。その差は、一言で言えば情報です。

このように考えることが出来れば、仕事で一度使った種々の情報、準備段階で収集した情報で、今回は直接使わなくても、また他でも使えそうな有用情報は、大雑把にその賞味期限や再利用価値を見定めて保管します。そして再び必要となった時には、引き出して仕事に活かせるよう、その仕事に関連する近くに、情報をタグ付きで(自分が将来分かるような識別や保管場所などの工夫)保管しておければ良いと思います。

情報の価値と効果は、当該の「仕事」に「関係する情報」が括りつけられているということがポイントです。

また、自ら習得した情報だからと、周囲には、これを伝えない人もいますが、もとはと云えば、情報そのものは会社の財産ですから「情報共有」することが筋と考えます。仮に、情報を独り占めにし、囲い込めば、やがては、他者からの情報提供の道も閉ざされますから何もよいことはありません。これからは、自らの情報力だけで生きるのだと云う、覚悟があれば別ですが・・・・。

ですから、①未来の自分 ②周囲の人々、のために現在の情報を整理保管し、これからの仕事に役立てる様にすることをお薦めします。

情報は単に、保存するだけではなく、「整理」することが大切です。整理には不要なものを捨てると云う意味もあります。例えば、手元にある用済みの情報を一定の視点で見直して、①事前準備でのポイント ②手戻りになる恐れのある重要箇所、手間取った箇所 ②注意すべきボトル・ネック ③ 出来上がりイメージとの差異 ④その乖離と原因 etc、あまり堅苦しく考えず、将来役立ちそうな今の「旬な情報」を記録保管しておくという考え方です。「え~と、あれは何だったけなア」は確実に無くなるだけでなく、確実な知識・スキルの積み上げに予想外の効果が期待出来ます。

少しそれますが、この情報を後々のために整理整頓しておくことは、つまり「仕事の後始末」の一貫です。本来、仕事については、仕事の成否を決める「準備段階」の重要性を強調することはあっても、「いい大人だから」の配慮でしょうか、現業部門を除き、いわゆるデスク部門では、「後始末」を、あまりうるさく言う管理・監督者を見かけません。

現業部門だけでなく、事業部門、企画・管理部門においても「仕事の後始末」は大切です。使用済み情報は現業部門で言えば、使用設備や工具類と同じものですから、情報も一定の整理整頓はかかせません。こうしておくことにより、次回、同じ様な仕事に際しても、迅速なスタートが切れることになります。

つまり、家事でも、会社の仕事でも後始末をするということは、同時に次の仕事のスタートラインに既に付いていることになり、いつでも「素早いスタート」が切れるように体制を整えておくことを意味します。 

この様に未来に亘り価値をもたらす情報は、記録して保管しますが、その媒体は、PCでも紙ベースでも構いません。記録されていれば、将来、他者に仕事を引き継ぐときなどは、「引継書」に添付して後任者に渡すこともできます。

この様なことは、特別のことではなく、簡単そうですが、敢えて心掛けていないと、なかなか実行出来ません。今現在の自分が、現時点の「用済み情報」を整理しておく習慣は大きな武器になるでしょう。この地道な蓄積が意外な力を発揮してくれる時が必ずあります。

「用済み情報」というものは、仕事のクロージングとともに”使い捨て”にしてしまい勝ちです。そして後々、その情報が必要となった時にはもう手元にも頭の中にもありませんからまた情報を得てからでないと仕事にかかれないのです。

このことは、中堅ベテラン社員だけでなく、新入社員さんには「基礎的な情報収集期」にもある訳ですら、特に心掛けて実践して頂きたいと思います。