やさしい ビジネスショート講座

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「管理者」と「マネージャー」について

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管理者をマネージャーと同義語的に呼び変えていう人がいますが、基本的に両者は異なります。

組織によっては、この辺を明確に定義しないままで、社内呼称や役職名で使用し、場合によっては、チャンポンで使っていることもあります。

管理者とは、自らの所掌範囲に示されている「あるべき基準・方針」のとおりに部下を通して行なう役職です。つまり、会社で決められている方針や基準レベルを維持管理する仕事をする人が管理者です。部下社員を信じる、信じないではなく、管理すべき基準レベルは、意識的に、意図的に管理しない限り悪い方向へと自然に向かいます。

 



管理すべきものは、管理点を明確に示し、管理してこそ、期待・要求する基準が保てるのです。

自分の机の上にしても、常に整理・整頓(これも立派な管理)を心掛けているつもりでも、実際になされなければ、いつの間にか意に反して雑然とした状態になってしまうことは、だれでも経験するとおりです。

管理すべき全てのことは管理しないと、一定基準の「現状維持」が出来ないことを管理者は今一度銘記すべきです。この様な現状維持は当たり前と反論の向きもありますが、自社製品の品質管理、サービスレベル、取引先との約定など、どれをとっても守るべき基準ですが、これらをキチッと管理することは容易なことではありません。

企業では決められた(会社の方針、基準)を自分の所掌範囲のなかで、しっかり管理して、まずやり遂げることです。それ自体が、しっかり出来ないうちに、大きなステップ・アップとばかり、日常身の回りの「改善」はともかく、当世流行りの大鉈を振るう様な「改革」に飛びつくので、大体は失敗の憂き目を見ます。

足場がぐらついているのに、ジャンプアップは望めません。

現状をしっかり管理して、「あるべき姿」に保たれていてこそ、次なるステップへの手懸りやヒントが分かり、改革への道が開けてくるものです。

当然、改革が成功すればまたその基準を保つための「管理」が必要になります。

このようにして、管理点は永久的ではありません。「管理」と「改革」あるいは「革新」と言われることは、繰り返して行くことになります。

また、マネージャーの動詞は英語の(Manage)「原義: どうにかして~する→どうにかする人」です。 マネージャーとは、管理者だけを指す言葉ではなく、日々業務に取り組み業績アップに努めている係長、一般社員のリーダー格の人々もマネージャーと呼ばれる方々は、実際に多くいます。

マネージャーとは、日々の業務を色々と頭を悩ませながら「何とかいい方向に、何とかしなければ」と、一定の責任を背負って仕事をしている立場の人と言えます。