やさしい ビジネスショート講座

2分で読める!読みきりサイズのワンポイントビジネス講座。新入社員から管理者まで、役立つ実践スキルを紹介します。

会社とは何か? 「責任と権限」(補足)

f:id:yukio_kato:20150112105959j:plain

12月は師走。ここ上旬は、師でもないのに、奔走していました。浮世の義理を果たし、時が待ってくれない事柄に埋没していました。一方、気になるブログの更新が伸び伸びになって、交感神経が高まる一方でした。

今日は、つぎのテーマ、「会社における指揮命令について」お話したいのですが、その前に、前回の「責任と権限」の続きで、もう少し触れておきたいことがあります。そもそも、われわれが会社で行使する「権限」とは一体どこから来るのものでしょうか?長くなりますからここは簡単にしたいのですが、経営学者は諸説唱えております。中でも「上位権限説」というのが”常識的”で受け入れ易く思われます。”難解かつ奇抜”な学説もありますが、日本企業のほぼ100%が、この「上位権限説」に基づく運用をしていと考えられます。これは、名前が示す通り、元々権限は一番上、つまり社長のものと云うところにポイントがあります。(厳密には、会社のオーナーは株主とも言えるが、それでも考え方は同じ)それを副社長や専務などに順次その権限を委譲して行き最後は担当者レベルまで権限は下りるとする考えです。

勿論その場合は、前回も触れましたが「権限と責任」はセツトで下されます。この上位権限説を採る場合は、権限が集約されている最高権限者(社長等)が、どの権限をどの範囲まで下すかが常に問われる問題となります。実際に行われた「権限委譲」は口頭で済ますのではなく、これを明文化して各企業は定めており、「社内権限規定」 「委任内規」 最近の民間では、「責任規定」などと呼ぶのが一般的です。余談ですが、お役所は、民間企業より「権限」というコトバがより根強く定着しているように見受けられます。民間では前記の通り、むしろ「権限」というコトバに置き換え、「責任」というコトバを使うケースが多いようです。〈権限=責任〉でしたね。ですから、「責任規定」も「権限規定」も定めていることは、ことは同じと捉えて良いわけです。

 さて、ここで前出した「権限委譲」についてもう少し掘り下げてみます。よく、「すべて任せていたので私に責任はない」などと言い逃れ的に言うことがありますが、上司は部下に権限を下ろして、それで終わりではないことは銘記すべきことです。

一定の権限を与えて任せても、「管理上の責任」は依然として上司に残ります。ですから、任せっ切りでなく、後フォロー、各種報告はちゃん受けて、指導すべきところは指導することが重要であり、上司の役目です。

 

「権限を下ろす」、「仕事を任せる」ということは、上司の実力が伴っていないと出来ないことです。権限を下ろし仕事を任せるということは、「人を育てる」ということにつながり、これは、管理職の重要な仕事の一つになります。

また、いちいち伺いを立てること無く、一定の権限を下位職者が譲り受けて、仕事をするということは、取りも直さず、業務の効率実施が図られるのです。

上司は「管理・監督責任」で,これらを見守ったり、指導したりetc・・・・しており、目を離してはいけないのです。

 

上位職位者は、部下の職務範囲の責任を持ちながら、自らの仕事をしていいますから、「指揮命令」が出来るとも言えます。

次回は、この「指揮命令」についてお話します。